核カスケード過程(読み)かくカスケードかてい(英語表記)nuclear cascade process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核カスケード過程」の意味・わかりやすい解説

核カスケード過程
かくカスケードかてい
nuclear cascade process

高エネルギー核子π中間子原子核に入射し,核内の核子と次々に衝突して多数の高エネルギーの核子やπ中間子を放出する。これらの二次粒子が他の原子核と衝突して同様の過程を反復し,それに伴って核子と中間子の数は増す。このような増殖過程を核カスケード過程といい,この現象を核カスケードという。一次宇宙線は大気上空で核カスケードによって二次宇宙線をつくり,特にエネルギーの高い場合には空気シャワーを発生する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android