空気シャワー(読み)くうきシャワー(英語表記)extensive air shower

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「空気シャワー」の意味・わかりやすい解説

空気シャワー
くうきシャワー
extensive air shower

超高エネルギーの一次宇宙線大気に入射して多数の電子,陽電子光子陽子中性子,π中間子,μ粒子をつくり,数百mの範囲に広がって地上に達する現象。大空気シャワーともいう。陽子や重い核を含む一次宇宙線が大気上空の窒素酸素原子核と衝突し,核カスケード過程によって陽子,中性子,π中間子をつくる。π中間子の 1/3 は中性で,ただちに2個の光子に崩壊し,カスケードシャワーの源となる。荷電π中間子は崩壊してμ粒子となる。空気シャワー中の粒子の大部分は電子,陽電子,光子であり,1%程度がμ粒子で,陽子,中性子,π中間子はさらに少い。地上では粒子数1万程度のものは半径 20m程度に広がる。粒子数の多い空気シャワーほど起る回数は急速に少くなるが,1020eV に達するエネルギーの一次宇宙線による空気シャワーが観測されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android