二次宇宙線(読み)ニジウチュウセン(英語表記)secondary cosmic ray

デジタル大辞泉 「二次宇宙線」の意味・読み・例文・類語

にじ‐うちゅうせん〔‐ウチウセン〕【二次宇宙線】

一次宇宙線地球大気に入射してつくる宇宙線空気原子核衝突して生じたπパイ中間子が、さらに分裂して生じた電子μミュー中間子など。

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精選版 日本国語大辞典 「二次宇宙線」の意味・読み・例文・類語

にじ‐うちゅうせん‥ウチウセン【二次宇宙線】

  1. 〘 名詞 〙 一次宇宙線が地球の大気中に突入して生じる、パイ(π)中間子・ミュー(μ)中間子・陽電子・電子などの高エネルギー粒子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二次宇宙線」の意味・わかりやすい解説

二次宇宙線
にじうちゅうせん
secondary cosmic ray

宇宙から飛来する一次宇宙線が大気中で2次的に生成する宇宙線。陽子や原子核成分が大気中の原子核と衝突の結果,核子,多数のπ中間子,K中間子を発生して核カスケードを発達させ核活性成分を生じる。中性π中間子の崩壊によるγ線,電子対生成による電子と陽電子,μ粒子崩壊による電子およびこれらがつくるカスケードシャワーは電子成分となり,鉛 10cm程度で吸収される軟成分となる。この厚さを透過する硬成分荷電π中間子から崩壊したμ粒子成分である。さらに,π中間子やμ粒子の崩壊に際して生じたニュートリノ成分がある。二次宇宙線の強度高度約 15kmに極大をもち,高さとともに減少する。また気圧とともに減少する気圧効果を示す。硬成分の強度は気温とともに減少する気温効果を示す。

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改訂新版 世界大百科事典 「二次宇宙線」の意味・わかりやすい解説

二次宇宙線 (にじうちゅうせん)

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世界大百科事典(旧版)内の二次宇宙線の言及

【宇宙線】より

…宇宙空間を光に近い速度でほぼ等方的に飛びまわっている高エネルギー(108eV程度以上)の放射線,およびそれが地球の大気中で空気を構成している原子核と衝突して発生する放射線の総称。前者を一次宇宙線primary cosmic rays,後者を二次宇宙線secondary cosmic raysと呼ぶ。一次宇宙線の主成分は各種の裸の原子核で,核子当り等しいエネルギーで比較すると,陽子(水素の原子核)が94.5%,ヘリウムの原子核(α粒子)が5%で,残りの0.5%がリチウムより重い原子核(炭素,窒素,酸素,鉄などの原子核が比較的多く,さらに重いものも含まれている)である。…

※「二次宇宙線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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