核燃料の再処理(読み)カクネンリョウノサイショリ

化学辞典 第2版 「核燃料の再処理」の解説

核燃料の再処理
カクネンリョウノサイショリ
chemical reprocessing of spent nuclear fuel

原子炉で使用し終った核燃料を化学的に処理して,有用な物質分離精製すること.単に再処理ともいう.石炭ガソリンなどの通常の燃料とは異なり,核燃料は完全には燃焼させられない.これは燃焼を続けていくと,核分裂生成物燃料体のなかに蓄積し,核分裂連鎖反応を維持するのに必要な中性子を吸収して反応を低下させたり,燃料体が放射線損傷をうけて変形したり破壊したりする心配があることによる.したがって,使用済み核燃料には未燃焼の核燃料が残っているほか,新しく生成した核分裂物質や有用な核分裂生成物が含まれているので,再処理する必要がある.再処理の方法には,水に溶解して行う湿式法(wet process)と,水に溶解しないで行う乾式法(dry process)とがある.湿式法には,沈殿法,イオン交換法,溶媒抽出法などがあり,乾式法には,フッ化物揮発法,塩化物揮発法などがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android