ある化学種を,固体あるいは液体中から,それとまじり合わない溶媒中へ移す操作をいう.しかし,溶媒抽出といえば,水-有機溶媒系での抽出をさすのが一般的である.水相に溶存するイオンなどの荷電化学種をキレート化合物,あるいはイオン会合化合物として有機層に抽出することにより分離したり,光吸収分析などを併用して定量する場合がこの操作の対象になる.また,溶液中に存在する化学種の組成の決定や,安定度定数の測定の手段として,この操作が用いられる.分析化学,錯体化学の研究手段として用いられる場合は,分液漏斗中で2相を振りまぜるもっとも簡単な操作(バッチ抽出)を行うのが普通である.有機化学や生化学の分野で多量の物質の分離,分配比の接近している場合の相互分離などには,分別沈殿に対応する分別抽出とでもいうべき連続抽出法,向流分配法などが用いられる.微量から大量までの対象に応用でき,分離法のうちでもっとも重要なものの一つである.[別用語参照]キレート抽出系,イオン会合抽出系
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…溶媒抽出ともいう。液体あるいは固体の混合物(抽料)に溶剤(抽剤)を加え,その混合物中からある特定の物質(抽質)のみを取り出し,他の物質と分離する操作で,単位操作の一つである。…
※「溶媒抽出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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