溶媒抽出(読み)ヨウバイチュウシュツ

デジタル大辞泉 「溶媒抽出」の意味・読み・例文・類語

ようばい‐ちゅうしゅつ〔‐チウシユツ〕【溶媒抽出】

混合物分離する方法の一。各種物質の溶けている水溶液に、水に溶けないベンゼンクロロホルムなどの溶媒を加え、この溶媒に特定成分を溶かし出させて取り出す操作抽出

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「溶媒抽出」の意味・読み・例文・類語

ようばい‐ちゅうしゅつ‥チウシュツ【溶媒抽出】

  1. 〘 名詞 〙 混合物を分離する方法の一つ。各種の物質の水溶液に水に溶けない有機溶媒を加え、この中に特定の成分を溶かし出すもの。微量な物質を迅速に分離するのに適する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「溶媒抽出」の解説

溶媒抽出
ヨウバイチュウシュツ
solvent extraction

ある化学種を,固体あるいは液体中から,それとまじり合わない溶媒中へ移す操作をいう.しかし,溶媒抽出といえば,水-有機溶媒系での抽出をさすのが一般的である.水相に溶存するイオンなどの荷電化学種をキレート化合物,あるいはイオン会合化合物として有機層に抽出することにより分離したり,光吸収分析などを併用して定量する場合がこの操作の対象になる.また,溶液中に存在する化学種の組成の決定や,安定度定数測定の手段として,この操作が用いられる.分析化学,錯体化学の研究手段として用いられる場合は,分液漏斗中で2相を振りまぜるもっとも簡単な操作(バッチ抽出)を行うのが普通である.有機化学生化学の分野で多量の物質の分離,分配比の接近している場合の相互分離などには,分別沈殿に対応する分別抽出とでもいうべき連続抽出法,向流分配法などが用いられる.微量から大量までの対象に応用でき,分離法のうちでもっとも重要なものの一つである.[別用語参照]キレート抽出系イオン会合抽出系

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「溶媒抽出」の意味・わかりやすい解説

溶媒抽出
ようばいちゅうしゅつ
solvent extraction

液状あるいは固状の試料に溶媒を加え,溶解度の差を利用して試料中の特定の成分を溶媒相に移して,他の物質から分離する操作をいう。試料が液体の場合は,試料液と溶媒とが2相を形成することが必要で,溶媒相を比重の差を利用して分液漏斗などを用いて分離する。連続的に行うこともでき,分離の困難な混合物の分離に応用される。液-液連続法として向流分配法がある。抽出速度が遅い場合には,ソックスレー抽出器などにより効果的な連続抽出が行われる。成分物質の分離法として重要な方法である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「溶媒抽出」の意味・わかりやすい解説

溶媒抽出 (ようばいちゅうしゅつ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「溶媒抽出」の解説

溶媒抽出

 溶剤抽出ともいう.溶媒を使って抽出すること.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の溶媒抽出の言及

【抽出】より

…溶媒抽出ともいう。液体あるいは固体の混合物(抽料)に溶剤(抽剤)を加え,その混合物中からある特定の物質(抽質)のみを取り出し,他の物質と分離する操作で,単位操作の一つである。…

※「溶媒抽出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android