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植民地文学 しょくみんちぶんがく

知恵蔵の解説

植民地文学

朝鮮半島、台湾、旧満州植民地において、日本民族以外の民族が植民地を描いた、日本語による文学。大日本帝国の同化政策、日本語強制策の結果、成立したこの種の植民地文学を、日本語文学とも呼ぶ。あえて日本語で書く理由としては、より多くの読者を獲得できるという即物的理由から、支配的言語を武器として、政治支配、言語支配の構造を転倒させるという文化戦略的意図まで、いくつかのレベルが想定できるが、いずれにしても、民族と言語との緊張関係、相関関係のもとに、自己の位置を見極めていこうとする意識がその根底には存在する。その意味では、金達寿(キム・タルス)などいわゆる「在日」朝鮮人作家の作品もまた、日本語=国語であると信じて疑わぬ思考法を突き崩す点において、日本語文学に含めることができる。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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