20世紀日本人名事典 「キム・タルス」の解説
キム・タルス
キム タルス
Kim Tal-su
昭和・平成期の小説家
- 国籍
- 韓国
- 生年
- 大正8(1919)年11月27日
- 没年
- 平成9(1997)年5月24日
- 出生地
- 慶尚南道昌原郡
- 別名
- ペンネーム=大沢 達雄
- 学歴〔年〕
- 日本大学専門部芸術科〔昭和16年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 平和文化賞(日本文化人会議)〔昭和32年〕
- 経歴
- 昭和5年10歳のとき日本に渡航、以後屑拾いや建設作業員、見習い工員などで働きながら、小学校夜間部、夜間中学、神田の正則英語学校などに通う。大学在学中、大学の雑誌「芸術科」に第1作「位置」を発表、以後、卒業までに大沢達雄のペンネームで「をやじ」「雑草」などを書く。16〜20年まで神奈川新聞記者。この間、18年5月から1年間ソウルの京城日報記者となる。終戦直後、在日朝鮮人連盟の結成に参加。21年日本語の朝鮮事情紹介誌「民主朝鮮」の創刊、編集に携わり、ここに「後裔の街」を連載し、作家としての活動を開始する。27〜28年「玄海灘」で高い評価と大きな反響を呼ぶ。その後、朝鮮戦争、35年前後の文学者の大量離党問題などの渦中にあって、一貫して朝鮮人への差別を直視し、古代からの日朝関係を探る。著書に「太白山脈」「朴達(パウタル)の裁判」「密航者」「日本の中の朝鮮文化」(全12巻)「金達寿小説全集」(全7巻)「金達寿評論集」など多数。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報