椎柴(読み)シイシバ

デジタル大辞泉 「椎柴」の意味・読み・例文・類語

しい‐しば〔しひ‐〕【×柴】

椎の木の群がり生えている所。
はしたかのとがへる山の―の葉がへはすとも君はかへせじ」〈拾遺・雑恋〉
椎の小枝
四方よも山の―残らじと見ゆるも、あはれになむ」〈栄花・月の宴〉
《椎を染料に用いるところから》喪服の色。また、喪服。
「これをだにかたみと思ふに都には葉がへやしつる―の袖」〈・一三八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「椎柴」の意味・読み・例文・類語

しい‐しば しひ‥【椎柴】

〘名〙
① 椎の木が群生している所。また、その木。
※拾遺(1005‐07頃か)雑恋・一二三〇「はし鷹のと帰る山のしゐしはの葉かへはすとも君はかへせし〈よみ人しらず〉」
② 椎の木の小枝。燃料または染料として用いられる。《季・秋》
※栄花(1028‐92頃)月の宴「四方山のしゐしば残らじと見ゆるも」
③ (椎は喪服の染料に用いるところから) 喪服の色。また、喪服。
千載(1187)哀傷・五八七「しひ柴の露けき袖はたなばたもかさぬにつけてあはれとやみん〈中納言顕隆女三位〉」
④ (③から転じて) 喪中
※高倉院升遐記(1182)「世はしゐしばにて、花の袂をぬぎかへて、時さりことかはりて、にほひ尽き、ひびき絶えにしかば」

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