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千載和歌集 せんざいわかしゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

千載和歌集
せんざいわかしゅう

鎌倉時代前期の第7勅撰和歌集。 20巻。 1288首。寿永2 (1183) 年藤原俊成後白河法皇の命を受け文治4 (88) 年4月奏覧。組織のうえでは,仮名序があり,雑下を雑体として,長歌,旋頭歌誹諧歌を収めていること,釈教,神祇にそれぞれ1巻をあてていることなどが注目される。選歌範囲を,平安時代中期一条天皇の時代から成立時までとし,名を明記する作者は 385名にのぼる。主要歌人は源俊頼,藤原俊成,基俊,崇徳上皇俊恵和泉式部,藤原清輔ら。作者不明のなかには,朝敵とされたため明記できなかった平忠度,経盛ら平家歌人の作もある。歌風は新奇な傾向を強く打出した『金葉和歌集』『詞花和歌集』の行過ぎを是正しようとしたため,概して平明温雅であるが,清新な叙景歌やみずみずしい抒情歌,深みのある思想歌などが少くない。

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デジタル大辞泉の解説

せんざいわかしゅう〔センザイワカシフ〕【千載和歌集】

平安末期の勅撰和歌集八代集の第七。20巻。寿永2年(1183)後白河院院宣により、藤原俊成が撰。永延元年(987)以後の歌を選び、文治4年(1188)成立か。歌数1280余首。代表歌人は源俊頼藤原俊成藤原基俊俊恵(しゅんえ)和泉式部西行など。千載集

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百科事典マイペディアの解説

千載和歌集【せんざいわかしゅう】

平安後期の勅撰和歌集。20巻。八代集の7番目に当たる。藤原俊成が1183年,後白河法皇の院宣を受けて撰し,1188年に奏覧した。平安中期から当代までの作,約1290首を収める。
→関連項目岩手山顕昭古来風体抄式子内親王寂蓮旋頭歌藤原良経物名

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世界大百科事典 第2版の解説

せんざいわかしゅう【千載和歌集】

平安時代の勅撰和歌集。八代集の第7にあたる。20巻。撰者は釈阿(しやくあ)(藤原俊成)。1183年(寿永2)後白河院の院宣によって撰集下命,88年(文治4)に成る。俊成編の私撰集《三五代集》(今は伝わらない)を母胎として編纂された。入集歌は〈後拾遺集に撰び遺されたる歌,かみ正暦のころほひより,しも文治の今にいたるまで〉(序)を対象とし,《万葉集》《古今集》《後撰集》の歌人の歌は含まない。また本集に先立つ《金葉集》《詞花集》がともに10巻であったのに対して,《古今集》以来の20巻構成をとる。

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大辞林 第三版の解説

せんざいわかしゅう【千載和歌集】

第七番目の勅撰和歌集。二〇巻。後白河法皇下命、藤原俊成撰。1188年成立。約一二九〇首。伝統性を踏まえながら主情性を志向した歌風で、新古今集への道を開いた。八代集の一。千載集。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

千載和歌集
せんざいわかしゅう

第7番目の勅撰(ちょくせん)和歌集。藤原俊成(しゅんぜい)撰。平氏都落ち直前の1183年(寿永2)2月に後白河(ごしらかわ)院の下命があり、源平戦乱終息後の1187年(文治3)に形式的奏覧、翌年俊成75歳のおりに完成した。前勅撰集の『詞花(しか)集』に対しては歌壇に強い批判があり、その気運のなかから『拾遺古今』『後葉集』などの反『詞花集』的私撰集が生まれた。俊成も50歳代の高倉(たかくら)天皇期のころから私撰集(『三五代集(さんごだいしゅう)』、散逸)を撰じており、それが母胎となって勅撰集に発展したと推定されている。部立(ぶだて)は『金葉集』『詞花集』と続いた10巻仕立てから、『後拾遺集』以前の20巻に復し、釈教、神祇(じんぎ)の新設などにくふうを示している。収載歌は、一条(いちじょう)天皇時代以降の385人の歌人の1288首で、当代歌人をかなり重視し、女流、僧侶(そうりょ)歌人の比率も小さくない。なお「読人しらず」には『平家物語』でよく知られている平忠度(ただのり)のほか、経盛(つねもり)・経正(つねまさ)ら勅勘の平家歌人の歌が含まれている。『詞花集』がほとんど採歌しなかった『久安(きゅうあん)百首』(崇徳(すとく)院主催)から126首もとり、『千載集』四季部の風格形成に利用しているのは、本百首のころの叙情的歌風を『千載集』の基調に据えようとする撰者俊成の意図として理解されよう。保元(ほうげん)の乱から源平争乱期にかけての変動期は、紀貫之(きのつらゆき)以来の知巧主義的な貴族和歌の主潮に安住する余地を狭め、現実の境遇を詠嘆する述懐性の濃い叙情歌を増大させた。『千載集』の叙情性回復の指向も当然その反映だが、その方向は古典摂取の詠作手法の開拓に伴って新古今的余情妖艶(ようえん)美に連なっていく。[松野陽一]
『久保田淳・松野陽一校注『千載和歌集』(1969・笠間書院) ▽『谷山茂著作集 3 千載和歌集とその周辺』(1983・角川書店)』

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