極小国家(読み)きょくしょうこっか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「極小国家」の意味・わかりやすい解説

極小国家
きょくしょうこっか

国家性の基準は満たされてるものの,地理的に小さいなどで,国際機構の加盟国としては不適正であるとされる国家。ミニ国家,ミクロ国家ともいう。国連憲章第4条は,憲章に規定された義務を履行する能力を加盟国としての承認要件としており,こうした能力に疑問のある極小国家が問題となった。実際に,サンマリノモナコリヒテンシュタインの各公国は国家としての要件は具備しているので国際司法裁判所規定の当事国とはなっているが,国連への加盟を申請していない。国連における議論では,極小国家についてなんら結論は出ていないが,極小国家の独立権の問題と国連への加盟問題を分離すべきだという見解は早くから提起されてきた。最近では国連の準加盟国という形式を設ける案が国連の諸機関によってあげられており,たとえば,安全保障理事会の理事国となる資格のないこと,投票権なしで総会議事に参加する権利,国連の費用分担への配慮,世界保健機構のような専門機関の便益の利用などが検討されている。

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