楼蘭探検(読み)ろうらんたんけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楼蘭探検」の意味・わかりやすい解説

楼蘭探検
ろうらんたんけん

楼蘭遺跡は,中国のシンチヤン(新疆)ウイグル(維吾爾)自治区内,タリム(塔里木)盆地東端にある古代遺跡楼蘭の名は前176年の文書に初めて登場し,前77年には国号を鄯善と改めた。鄯善国は,2世紀末から 3世紀初めに,インド系の移民団による国家へと姿を変え,ロプノール(羅布泊)湖のほとりに栄えたが,5~6世紀に滅亡し,その後はしだいに廃虚と化していた。1900年スウェーデンのスウェン・アンデルス・ヘディンが楼蘭の遺跡を発見し,発掘にあたったのに続いて,1907年と 1914年にはイギリスのマーク・オーレル・スタインが発掘にあたった。2人の探検家が発見した文書は使用されている言語名から「カローシュティー文書」(→カローシュティー文字)と呼ばれ,鄯善王国を知る貴重な資料となっている。その後,1988年には日中共同で楼蘭探検が実施された。外国の本格的な探検隊がこの地に入ったのは,スタイン以来 74年ぶりのことであった。

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