楽譜印刷(読み)がくふいんさつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楽譜印刷」の意味・わかりやすい解説

楽譜印刷
がくふいんさつ

楽譜の印刷は,グーテンベルクの活字印刷の発明後まもなく,まず礼拝書から始った。初期の方法は重ね刷りといって,譜線は赤で音符は黒で別々に印刷した。 15世紀後期には印刷楽譜の例が随所にみられるが,ベネチアの O.ペトルッチはこの方法を改良して,1501年特許をとり,多声音楽の曲集を初めて出版した。音符と線譜を1回の操作で印刷する方法はパリが最初で,1520~40年代にはフランス,ドイツ,ネーデルラントの各地で本格的な楽譜出版が始った。木版印刷法によるものは 15世紀からあるが,それが銅版,スズ版,亜鉛版と変り,18世紀の初めにイギリスのウォルシュが著しく進歩させた。活字印刷法は,符尾符頭などを別々につくったものを組合せ,その間に小さく切った五線を入れてゆく。 1755年にドイツのブライトコップがこの方法を発展させ,書籍に譜例を挿入するときに使用。 1900年以降はオフセット印刷が主流となった。

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