音符(読み)オンプ

デジタル大辞泉 「音符」の意味・読み・例文・類語

おん‐ぷ【音符】

漢字仮名文字につけて、発音を示すための補助符号濁音符「゛」・半濁音符「゜」・促音符「っ」・反復音符「ゝ」「〱」「々」「」・長音符「ー」など。
漢字の構成で、音を表す部分。「胴」「銅」の「同」など。
音楽で、個々の音を示す記号。形の違いで音の長さを、譜表上の位置で高さを示す。

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精選版 日本国語大辞典 「音符」の意味・読み・例文・類語

おん‐ぷ【音符】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漢字、かなにつけて発音を示す補助符号。時代によって違うが、現在、濁音符「゛」、半濁音符「゜」、促音符「っ」、反復音符「ゝ 々」、長音符「ー」などが普通に用いられる。
  3. 形声による漢字の組み立てで、音を表わす部分。たとえば、「管」「館」における「官」。
  4. ( [英語] note の訳語 ) 音楽で、音の長短の割合と譜表上の位置により高さを示す記号。全音符、二分音符、四分音符、八分音符、一六分音符、三二分音符、六四分音符などがある。〔楽典初歩(1888)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「音符」の意味・わかりやすい解説

音符 (おんぷ)

音楽において個々の音を表記するための記号で,その形態によって音の相対的な長さを,また音部記号を伴う譜表上の位置によって音の高さを示す。一方,音の休止の相対的な長さは休符によって示され,音符と休符は楽譜を構成する最も基本的な記号である。音符・休符の形態と用法は歴史的に変化したが,ここでは17世紀以降の西洋音楽で慣用されているものについてのみ述べる。

すべての音符は丸い符頭(たま)をもち,譜表上で符頭が占める位置によって音の高さを表示する。符頭には白いもの(全音符と2分音符)と黒いもの(4分音符以下)の2種類がある。全音符は符頭だけから成るが,2分音符以下の音符は符頭の上または下に付けられた符尾(棒)という垂直線をもち,8分音符以下の音符では符尾の末端に鉤(かぎ)(はた)が付けられる(図a)。なお,音符を総称して俗に〈おたまじゃくし〉ともいう。

一般に用いられる最長の音(休)符は全音(休)符,最短の音(休)符は64分音(休)符で,ある音(休)符はその次下位音(休)符の常に2倍の長さをもつ。たとえば,等である。しかし,これはあくまで相対的な長さ(相対比)であり,各音(休)符の絶対的な長さは楽曲の速度(テンポ)によって変動し,たとえば緩徐な曲の4分音符が急速な曲の2分音符より長い持続時間をもつこともありうる。また,各曲において基本となる音符(単位音符)の種類は拍子記号によって示され,たとえば4分の3拍子(3/4)なら4分音符が,8分の3拍子(3/8)なら8分音符が拍節の単位音符となる。慣用の音符・休符の形態と種類を示せば表のとおりである。

音符の符頭または休符の右側に小点を付けたものを付点音(休)符といい,その小点は音(休)符の長さの半分を意味する。したがって付点音(休)符はもとの音(休)符の1.5倍の長さになる(図b)。2個の小点をもつものを複付点音(休)符といい,第2の点は第1の点のさらに半分の長さを意味する。したがって,複付点音(休)符はもとの音(休)符の1.75倍の長さになる(図c)。なお,ある音が小節線をまたいで延長されるときは,付点を用いずタイで結ぶのが現在の書法である(図d)。

ある音符が,その曲の拍子に固有の分割以外の方法で等分割されるとき,その一連の音符を連音符という。たとえば2/4拍子の場合,本来二つの8分音符に分割されるべき4分音符を3等分したとき,これを3連音符という(図e)。連音符にはいろいろな種類があるが,3連音符が最も多く用いられる。

(1)8分音符より短い音符がいくつもつづくとき,特に器楽においては,それらを連鉤(れんこう)(符桁)という横線でつなぐことが多い(図f)。(2)全休符は全音符1個分の休止を意味するだけでなく,拍子にかかわりなく1小節間の休止を示すときにも用いられる。また,ある声部が何小節もつづけて休止するときは,(図g)のように数字を用いて示す。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「音符」の意味・わかりやすい解説

音符
おんぷ
note 英語
Note ドイツ語

音を示す記譜法上の記号。形によってその時間的比率を、譜表上の位置によってその音高とともに示す。ある音符のもつ時間的比率を価値、音価、時価などという。音の休止の時間的比率を示す記号は休符(休止符)といい、その譜表上の位置は原則として固定されている。音符は符頭、符尾、鉤(かぎ)などからなるが、その本質的な部分は符頭で、この譜表上の位置によってその音高が示される。鉤付きの音符が連なる場合には連鉤(れんこう)が用いられる。付点は、符頭や休止符の右に打たれ、これはその音符の半分の音価をもつ。付点が二つの場合は複付点音符といわれ、二つ目の付点は一つ目の付点の半分の音価をもつ。連音符とは、たとえば2等分すべき音価を3等分するなどの特殊な分割法をとる一連の音符のこと。連音符の内部に休符や細分を含むものもある。

[南谷美保]


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百科事典マイペディア 「音符」の意味・わかりやすい解説

音符【おんぷ】

音楽を記すのに使われるものの中で最も重要な記号で,音の相対的な長さを示し,また音部記号との関係によって高さも示す。西洋近代音楽では,全音符,2分音符,4分音符などがその例である。→休止符

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音楽用語ダス 「音符」の解説

音符[note]

音の長さを表す記号。長音符の種類(全音符、2分符、4分符、etc)によって音の長さを区別する。音の長さはそのものは曲の演奏される速度(テンポ)により異なる。音の高さは五線上に置いた位置により示す。

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デジタル大辞泉プラス 「音符」の解説

音符

三浦恵の小説。1992年、第29回文藝賞を受賞した、著者のデビュー作。高校三年生の「私」「彼女」「彼」を主人公に、卒業までの一年間を淡々と描く。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「音符」の意味・わかりやすい解説

音符
おんぷ
note

音楽用語。音の長さの割合を示し,また譜表上に置かれる位置によって音の高低をも示す音楽表記上の重要な記号。

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