榷場(読み)かくじょう(英語表記)Que-chang; Ch`üeh-ch`ang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「榷場」の意味・わかりやすい解説

榷場
かくじょう
Que-chang; Ch`üeh-ch`ang

中国,宋代に北・西方の外民族との貿易を管理するため国境におかれた官庁。 榷務,榷署とも呼ばれる。太平興国2 (977) 年,契丹との交易のため設けられたのに始り,景徳4 (1007) 年西夏との間におかれ,紹興 12 (1142) 年にとの境に設置された。 榷場での貿易品は宋から銅銭,茶,絹,香薬,漆器陶器など,契丹,金からは馬,羊,北珠,貂皮など,西夏からも羊,馬,牛,玉などがもたらされた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「榷場」の解説

榷場
かくじょう

中国の宋代に外交・貿易のため,国境に置かれた役所
977年太宗のとき,遼 (りよう) との間に創設され,のち西夏・金との国境にも設けられた。

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世界大百科事典(旧版)内の榷場の言及

【互市】より

…海港の場合は互市舶,市舶という。同義語に榷(かく),榷場(かくじよう)と表現するように,もともとモノポリー,経済封鎖,鎖国,関所の役目を果たす消極的・防衛的な貿易であった。中国が経済力を充実し,周辺諸国の実力も向上した宋代以後,馬,絹,茶,貴金属,銅銭,毛皮,香薬などを互市場に限って交換し,外圧を平和裏に懐柔して外交の均衡を守る機能を果たした。…

※「榷場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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