構造機能主義(読み)こうぞうきのうしゅぎ(英語表記)structual-functionalism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「構造機能主義」の意味・わかりやすい解説

構造機能主義
こうぞうきのうしゅぎ
structual-functionalism

構造機能主義,あるいは構造機能理論というのは,社会学理論の一つの潮流に対して名づけられた名称である。それは,社会システムにおける構造形成および構造変動生起の方向性を,当該社会システムにとっての機能的要件をよりよく充足するような方向性として説明しようとする,社会構造およびその変動についての社会学的分析の基本的方針を意味している。構造機能主義という名称そのものは,T.パーソンズ命名によるが,これを広義に解釈して,構造の語をつけない機能主義および社会システム理論と,互換的に使われうるものとして考えられる。

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世界大百科事典(旧版)内の構造機能主義の言及

【社会構造】より

…すなわち,一つの構造の形成と変動を説明するものは,その構造のパフォーマンスとしての機能である。構造と機能とをこのようにして結びつける理論は,構造‐機能主義structural‐functionalismと呼ばれ,現代社会学の主流を形成している。しかし構造‐機能主義は社会構造についての理論として唯一のものではなく,現在行われている社会構造概念は多様である。…

【パーソンズ】より

…翌79年5月,ハイデルベルク大学から学位取得50周年記念講演に招聘(しようへい)され,講演をすませた翌日,ミュンヘンにおいて心臓疾患のため急逝した。 パーソンズの社会学理論は,〈行為の一般理論〉および〈社会システム理論〉という名によって体系化されており,方法論的には〈構造‐機能主義structural‐functionalism〉として特徴づけられている。 パーソンズは1937年に800ページにのぼる大著《社会的行為の構造The Structure of Social Action》によって学界に登場した。…

【文化人類学】より

…それはイギリスにおける社会人類学の成立を契機とする。B.K.マリノフスキーの機能主義functionalismおよび,ラドクリフ・ブラウンの構造・機能主義structural‐functionalismと呼ばれる立場がそれである。両人はフランスの社会学者É.デュルケームの理論に多くを学び,全体を部分の単なる総和ではなく,機能的統合体もしくは機能的まとまりとしてとらえ,全体の構造と部分の機能を究明することを指向した。…

※「構造機能主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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