槍投げ(読み)ヤリナゲ

デジタル大辞泉の解説

やり‐なげ【×槍投げ】

陸上競技で、擲(とうてき)種目の一。助走して、半径8メートルの円弧の踏み切り線の後方から投げてその到達点までの距離を競う競技。ジャベリンスロー
[補説](2018年7月現在)
世界記録男子:98.48メートル(1996年5月25日 ヤン=ゼレズニー チェコ)
世界記録女子:72.28メートル(2008年9月13日 バルボラ=シュポタコバ チェコ)
日本記録男子:87.60メートル(1989年5月27日 溝口和洋)
日本記録女子:63.80メートル(2015年5月10日 海老原有希)

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百科事典マイペディアの解説

槍投げ【やりなげ】

陸上フィールド競技の一種目。助走して槍を投げ,その飛距離を競う。槍は金属製の穂先,金属製または木製の柄,握りひもからなり,男子用は全長2.6〜2.7m,重量800g以上,女子用は2.2〜2.3m,600g以上。穂先よりも先に他の部分が地面に落ちた場合は無効。歴史は古く,古代ギリシアでも行われていた。オリンピック種目としては男子が1908年のロンドンオリンピックから,女子が1932年のロサンゼルスオリンピックから正式種目。男子はノルウェー,ラトビア,フィンランドなどが強く,女子はチェコ,ロシア,ドイツが強豪。世界記録(2014年現在)は男子がヤン・ゼレズニー(チェコ)の98m48(1996年),女子がバルボラ・シュポタコバ(チェコ)の72m28(2008年)。
→関連項目五種競技ザトペック十種競技

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大辞林 第三版の解説

やりなげ【槍投げ】

陸上競技の種目の一。槍を投げてその飛距離を競うもの。助走路を走ってスピードをつけ、踏み切り線の後方から投擲とうてきを行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

槍投げ
やりなげ
javelin throw

古代オリンピックからある陸上競技投擲(とうてき)種目の一つ。投擲種目ではただ一つサークルを使わず、助走でスピードをつけて投げる。槍は、(1)穂先、(2)柄、(3)紐(ひも)を巻いたグリップの3部分からなっており、柄は金属または類似の物質でつくられ、その先端には金属製穂先が固定されていなければならない。槍の重心の周りに紐を巻いて握り部分とするが、その直径は柄の直径を8ミリメートル以上超えてはならない。槍の長さは男子用が2.6~2.7メートル、女子用は2.2~2.3メートルで、重さは男子用が最小800グラム、女子用が最小600グラムとなっている。
 投げるときは、握りの部分をかならず握り、肩または投げるほうの腕の上で投げなければならない。振り回して投げてはいけない。1950年代にスペインの選手が円盤投げのようにターンをして投げ、100メートル近い記録を出したことがあったが、この投げ方は距離が出るうえに、スタジアムのどこへ飛ぶかわからず危険なため禁止された。競技者は槍が落下するまでは助走路を離れてはならず、投げ終わってもスターティングライン(投擲ライン)の後ろから出ないと失格となる。助走路は最短30メートルとし、28.96度の角度の範囲内に落ちた槍だけが有効試技となる。落下の際、槍の穂先の先端より先に、槍の他の部分が地面に落ちたときは無効となる。8人を超える競技者が参加する場合は、各3回の試技のあと、ベスト8を選び、さらに成績の低い順から3回投擲を行い、計6回のベスト記録で順位を決める。同記録の場合は、6回のうちの2番目の記録を比べ合ってよい方を上位とする。これで決まらなければ3番目、4番目と順を追って比べ合う。それでも決まらないときは、1位を決める場合に限って順位決定のための新試技を行う。その他は同順位とする。
 投擲のなかではもっとも遠距離に飛ぶ種目であり、1984年、男子の世界記録が104メートル80センチに達した。これでは通常の競技場ではフィールドを突き抜けてトラックの走路まで達する危険性が出たため、国際陸上競技連盟は1986年5月から男子用の槍の重心の位置を従来より4センチメートルだけ先端方向に移すルール改正をした。これによって槍の落下が早まり、飛距離は大きく減少した。しかし、それでも2012年3月時点の男子の世界記録はヤン・ゼレズニーJan elezn(チェコ。1966― )の98メートル48センチ(1996年)にまで伸びており、槍の重さを変えるなど新しい対策が必要になっている。[加藤博夫]

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世界大百科事典内の槍投げの言及

【陸上競技】より

…古代オリンピックは,以後4年に1度のペースで実に1000年以上も続き,現在の陸上競技種目に相当するものが加わっていった。たとえば第14回大会(前724)には往復競走(2スタディオン)が加わり,さらに長距離競走(7~24スタディオン),五種競技(短距離,幅跳び,円盤投げ,槍投げ,レスリング)などが登場している。古代ギリシアのつぼ絵などから推察すると,幅跳びは石または鉛でつくったおもりを両手に握ってはずみをつける跳び方,円盤は石や青銅でつくったもの,槍は重心近くにつけた革ひもに指を通して投げるなど,現在と形は多少異なるものの,基本的には同じである。…

※「槍投げ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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