翻訳|pentathlon
スポーツの混成競技の一つ。
〔1〕古代オリンピックの種目として紀元前708年から登場した。幅跳び、円盤投げ、短距離競走、やり投げ、レスリングの5種目を順に行った。勝者の決め方は、(1)幅跳びの成績で5人を残し、続く3種目で1人ずつ減らし、最後に残った2人がレスリングで勝敗を決する、(2)5種目中3種目(かならずレスリングを含む)に勝てば優勝、などの説がある。なお、この古代ギリシアの五種競技を参考に創設され、現在オリンピック競技の一つとなっている複合競技「近代五種競技」については別項目としている。
〔2〕陸上競技の1種目。かつてはオリンピックの女子の正式種目で1964年(昭和39)の東京大会から1980年のモスクワ大会まで続いたが、1984年のロサンゼルス大会から七種競技に変更された。第1日に80メートルハードル(後に100メートルハードル)、砲丸投げ、走高跳びの3種目、第2日に走幅跳び、200メートル走を行い、計5種目の記録を点数に換算して順位を決める。また男子種目としても1912年のストックホルム大会から1924年のパリ大会まで3回にわたり、十種競技と並行してオリンピックの正式種目として行われた。男子の場合は走幅跳び、やり投げ、200メートル走、円盤投げ、1500メートル走を1日で行った。室内競技の世界選手権では現在でも女子の正式種目として五種競技があり、60メートルハードル、走高跳び、砲丸投げ、走幅跳び、800メートル走の5種目が1日で行われている。
[加藤博夫・中西利夫 2020年4月17日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…馬術,フェンシング,水泳,射撃,ランニングという性質の異なった5種の競技を1日で行い,合計得点で順位を決めるスポーツ。
[歴史]
古代オリンピック(前776‐後393)の競技種目の中に五種競技があり,第18回大会(前708)から実施された。それらは競走(短距離),跳躍(幅跳び),円盤投げ,槍投げ,レスリングで,全部を1日で終了することになっていた。…
…古代オリンピックは,以後4年に1度のペースで実に1000年以上も続き,現在の陸上競技種目に相当するものが加わっていった。たとえば第14回大会(前724)には往復競走(2スタディオン)が加わり,さらに長距離競走(7~24スタディオン),五種競技(短距離,幅跳び,円盤投げ,槍投げ,レスリング)などが登場している。古代ギリシアのつぼ絵などから推察すると,幅跳びは石または鉛でつくったおもりを両手に握ってはずみをつける跳び方,円盤は石や青銅でつくったもの,槍は重心近くにつけた革ひもに指を通して投げるなど,現在と形は多少異なるものの,基本的には同じである。…
※「五種競技」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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