十種競技(読み)ジッシュキョウギ(その他表記)decathlon

翻訳|decathlon

デジタル大辞泉 「十種競技」の意味・読み・例文・類語

じっしゅ‐きょうぎ〔‐キヤウギ〕【十種競技】

陸上競技で、男子混成競技。第1日は100メートル走走り幅跳び砲丸投げ走り高跳び400メートル走、第2日は110メートルハードル円盤投げ棒高跳び槍投げ・1500メートル走の順で10種目一人で行い、総得点で順位を競う。デカスロン。→近代五種競技五種競技七種競技

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精選版 日本国語大辞典 「十種競技」の意味・読み・例文・類語

じっしゅ‐きょうぎ‥キャウギ【十種競技】

  1. 〘 名詞 〙 陸上競技男子種目の一つ。一人の競技者が二日間で一〇種目の競技を行ない、合計得点の多い者を勝ちとする。第一日は一〇〇メートル、走幅とび、砲丸投げ、走高とび、四〇〇メートル。第二日は一一〇メートル障害、円盤投げ、棒高とび、やり投げ、一五〇〇メートルの順序で行なう。〔陸上競技法(1923)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十種競技」の意味・わかりやすい解説

十種競技(じっしゅきょうぎ)
じっしゅきょうぎ
decathlon

陸上競技のなかの混成競技の一つ。人間の基本動作である走・跳・投の各種目を組み合わせた10種目を2日間で行い、各種目の成績を混成競技採点表によって点数に換算し、その合計点を競う。男子のオリンピック種目で、第1日に100メートル走、走幅跳び、砲丸投げ、走高跳び、400メートル走、第2日に110メートルハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500メートル走をこの順序で行う。2日間で10種目をこなす体力とオールラウンドの運動能力が必要で、勝者には「キング・オブ・アスリート」として、最大級の賛辞が送られる。競技者は各種目のうち1種目でもスタートしなかったり、また1回も試技しなかった場合は、それ以降の種目の参加を許されず棄権とみなされる。したがって最終順位にも加えられない。オリンピックでは1904年のセントルイス大会で初めて実施されたが、競歩ハンマー投げが含まれており、現行の種目で行われるようになったのは1912年のストックホルム大会からである。

 競技の実施にあたっては各種目の競技規則が適用されるが、例外としては、(1)投擲(とうてき)種目と走幅跳びは3回の試技のうちベスト記録を採用、(2)不正スタート(フライング)は各レースで1回のみとし、その後のフライングはすべて失格とする、(3)風力計測する種目の平均秒速が2メートルを超えると総得点は参考記録となる、などがある。

 採点表は、1912年の導入から6回更新し、1985年の採点表が現在使われている。当初各種目の世界記録を1000点とし、以下順に下げていくという方式を採用していた。その後の記録向上で、人類の限界とみられる記録を1500点とする改正を行ったが、棒高跳びにおけるグラスファイバーポールの出現にみられるように器具の改良・進歩などでこの「限界」が突破される可能性が生まれ、どんなに好記録を出しても1500点で打ち切りという矛盾や、種目によるアンバランスも生じたため改定し、現在の青天井方式に至っている。

 現行の採点表によると、100メートル走で1000点を取るには10秒39(世界記録の9秒58は1202点)で走り、棒高跳びで1000点を取るには5メートル29センチ(世界記録の6メートル18センチは1291点)を跳ぶ必要がある。なお十種競技の世界記録は2020年3月の時点で、ケビン・マイヤーKevin Mayer(フランス。1992― )の9126点(2018年)。女子は当初五種競技がオリンピック種目であったが、体力の向上などで、1984年のロサンゼルス大会から七種競技に変更された。

[加藤博夫・中西利夫 2020年4月17日]


十種競技(じゅっしゅきょうぎ)
じゅっしゅきょうぎ

十種競技

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百科事典マイペディア 「十種競技」の意味・わかりやすい解説

十種競技【じっしゅきょうぎ】

陸上混成競技男子種目の一つ。デカスロンdecathlonとも。第1日目に100m競走,走幅跳び砲丸投げ走高跳び,400m競走,第2日目に110mハードル,円盤投げ棒高跳び槍投げ,1500m競走の合計10種目を行い,総合得点を競う。1912年ストックホルムオリンピックから連続採用。伝統的にアメリカが強い。対応するオリンピック女子種目としては五種競技(1964年東京オリンピックから1980年モスクワオリンピックまで)が行われていたが,1984年ロサンゼルスオリンピックから七種競技(100mハードル,走高跳び,砲丸投げ,200m,走幅跳び,やり投げ,800m)が採用された。アメリカ,ロシア,イギリスなどが強豪。→五種競技
→関連項目近代五種競技

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十種競技」の意味・わかりやすい解説

十種競技
じっしゅきょうぎ
decathlon

陸上競技における男子混成競技の一つ。1日5種目ずつ2日間で 10種目を行なう。1日目は 100m走,走り幅跳び砲丸投げ走り高跳び,400m走を,2日目には 110mハードル (→ハードル競走 ) ,円盤投げ棒高跳びやり投げ,1500m走を,それぞれこの順序で競技する。各種目別得点を採点表により総合し順位を決定,1種目でもスタートしなかったり,試技をしなかった場合は棄権とみなされる。

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世界大百科事典(旧版)内の十種競技の言及

【陸上競技】より

…走る,跳ぶ,投げるのオールラウンドの能力が要求されるため〈キング・オブ・スポーツ〉ともいわれている。現在のオリンピックでは男子は十種競技decathlon(第1日=100m,走幅跳び,砲丸投げ,走高跳び,400m。第2日=110mハードル,円盤投げ,棒高跳び,槍投げ,1500m),女子は七種競技heptathlon(第1日=100mハードル,走高跳び,砲丸投げ,200m。…

※「十種競技」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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