横臥背斜(読み)おうがはいしゃ

最新 地学事典 「横臥背斜」の解説

おうがはいしゃ
横臥背斜

recumbent anticline

軸面が水平か,またはそれに近い背斜。西アルプス東部(主にスイス)のPennine帯・Helvetia帯は,大規模な横臥背斜がいくつも重なり合った構造をもち,アルプスの地質構造の典型的な地域で,横臥背斜のさまざまな形態が研究された。横臥背斜をつくる岩層は一般に中心部と外縁部に分けられ,それぞれ核岩,皮殻岩と呼ばれる。Pennine帯では,核岩は花崗岩ミグマタイトからなり,皮殻岩はジュラ系源の結晶片岩や片麻岩からなっている。そのため,特にこれらは片岩皮殻(Schieferhülle)と呼ばれる。軸面を境にして上位の正常脚部(normal limb)の厚さは,下位の逆転脚部(inverted limb)のそれより一般に厚い。また,この正常脚部には二次的な横臥背斜のみられることがあり,指を広げた枝分れのような形態から,これはディジテーション(digitation)と呼ばれる。正常脚部と逆転脚部とが合体する部分,すなわち岩層が最も強く折れ曲がっている先端の部分を頭あたま(front)と呼ぶ。正常脚部の上面を背部(back),逆転脚部の下面底部(sole)と呼ぶ。軸面を頭から背斜の後部へたどっていくと,傾きがしだいに急になっていく。最も傾斜が急で垂直に近い部分は,その横臥背斜がそこから始まっている根もとの部分であると考えられ,そこを横臥背斜の根と呼ぶ。

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参照項目:横臥褶曲

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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