樹上生活(読み)じゅじょうせいかつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「樹上生活」の意味・わかりやすい解説

樹上生活
じゅじょうせいかつ

森林における樹上での生活。地上生活とは異なった生活空間をもつ樹上で生活を行う生物は多種類に上る。特に樹上での移動運動はかなり特異であり,落下の危険に常にさらされ,それはしばしば致死的なものになる。樹上は,飛翔力のある鳥類や,コウモリなど一部哺乳類には絶好なすみかである。また幹や枝に体ごと巻きつくヘビ類には落下の危険はない。昆虫やカエルは足の部分に吸着力をもつ。爬虫類や哺乳類の大部分は足指の先の爪を適当に木肌に食い込ませることにより,樹上における移動運動を確保させている。このようにして,トカゲ,ナマケモノ,各種齧歯類,ネコ科動物などは樹上に進出して,それぞれの生息域を発展させたといえる。特筆すべきは霊長類であって,この動物の場合は母指対向性によって木の幹や枝を握ることが可能になり,樹上生活を著しく高度化させることに成功し,ひいては手の機能を発展させて,道具使用を可能にし,人類を生み出す原因をつくりだした。

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