樽代（読み）タルダイ

デジタル大辞泉

たる‐だい【^×樽代】

結納ゆいのう・転宅などのとき、祝儀として酒を贈る代わりに、酒代さかしろとして包む金銭。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

たる‐だい【樽代】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 樽を買う、または借りる代金。
   1. [初出の実例]「是は今酒屋にて樽をかりて、樽代を出すが如くなるべし」(出典：随筆・金曾木（1810）)
3. ② 祝儀などに酒を贈るかわりに酒代として包む金。謝礼・挨拶(あいさつ)のかわりに包む金。つつみ金。樽銭。
   1. [初出の実例]「樽代〈三百疋〉送_レ之。旧冬古今書遣_レ之」(出典：実隆公記‐永正九年（1512）閏四月二一日)
4. ③ 江戸時代、家屋敷を売買するときの代価。また、地借人・店借人が町内に初めて地借り、店借りしたり、他より移住してきたときに家主に贈った金。屋宅に準じて二朱から一〇両ぐらいであった。
   1. [初出の実例]「我家ながら売に買手なくさながら四間口人に無直(ただ)もやられず、樽代(タルダイ)に五十目か三十目おこせばやるに」(出典：浮世草子・本朝二十不孝（1686）一)
5. ④ 江戸時代、養子の持参金をいう。
   1. [初出の実例]「養子証文之事。〈略〉則為_二御樽代_一金何程被_レ下、慥請取申候」(出典：諸人通用証文案書)

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