朝日日本歴史人物事典 「橘道貞」の解説
橘道貞
生年:生年不詳
平安中期の官人。広相の孫で下総守仲任の子。長徳1(995)年ごろ和泉式部と結ばれた。彼女の女房名は道貞が和泉守であったことによる。ふたりの間に小式部内侍が生まれている。結婚生活は幸福ではなかったようで寛弘1(1004)年陸奥守となったときには,ふたりは離れており,任国への下向の途次,尾張守大江匡衡,赤染衛門夫妻のところへ立ち寄っている。後年左京命婦と結ばれたらしい。権力者藤原道長に追従して,私邸を提供したり,馬を贈るなど典型的な受領であった。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報