橡久保村(読み)とちくぼむら

日本歴史地名大系 「橡久保村」の解説

橡久保村
とちくぼむら

[現在地名]昭和村橡久保

森下もりした村の北に位置し、沼田街道が通る。東は赤城山麓の原野に続き、北から西は片品かたしな川で限られる。片品川対岸は沼須ぬます(現沼田市)で、渡船で結ばれる。当地の小字安岨あその阿岨岩といわれる崖端に、戦国期要害が構えられていた。天正一二年(一五八四)頃と推定される一一月二六日の阿久沢能登守宛北条家朱印状(阿久沢文書)に「先段長井坂番申遣候へ共、彼地を相止、阿曾之寄居番ニ定候、卅人自身召連、来月五日阿曾へ打着、六日ニ番所請取、房州(北条氏邦)之衆相談、番中厳密ニ可走廻候」とあり、同じ頃の一二月一一日の赤堀又太郎宛北条氏直書状(赤堀文書)には「阿曾之地番肝要之巷ニ候間、乍苦労其方自身相移、房州如指引可被走廻候」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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