片品(読み)かたしな

改訂新版 世界大百科事典 「片品」の意味・わかりやすい解説

片品[村] (かたしな)

群馬県北東端,利根郡の村。人口4904(2010)。新潟,福島,栃木の各県と接する。利根川支流片品川の最上流域を占め,周囲は武尊(ほたか)山,至仏山,白根山など標高2000m級の山々にとり囲まれている。総面積の約90%が山林で,耕地は3%にすぎない。北部は尾瀬国立公園に含まれ,尾瀬ヶ原は日本最大の高層湿原として,特別天然記念物地域に指定されている。林業のほか,コンニャク,トウモロコシなどの畑作が行われる。かつては交通不便な山村であったが,国道120号線の整備や金精峠有料道路の開通(1965)によって沼田,日光との連絡が便利となり,観光開発が急速に進んだ。なお同有料道路は95年に無料開放。尾瀬探勝のハイカーが増加したほか,戸倉,片品,丸沼などのスキー場も整備され,片品,丸沼,白根などの温泉客も増加し,関東でも有数の山岳観光地となっている。過疎地域の指定を受けている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報