檜山越(読み)ひのきやまごえ

日本歴史地名大系 「檜山越」の解説

檜山越
ひのきやまごえ

中世末まで佐渡国の公津であったまつさきから国仲くになかに至る小佐渡の山越道の一つ。多田おおだ丸山まるやま河内かわちを過ぎ、小佐渡の峠付近に檜山とよぶ小盆地がある。永享六年(一四三四)に佐渡へ流された世阿弥の「金島集」に「明くれは山路を分け登りて、笠借りと云ふ峠に着きて駒を休めたり、ここは都にても聞きし名どころなれは、山はいかでか紅葉しぬらんと、夏山楓のわくら葉までも、心あるさまに思ひそめてき、そのまま山路をおり下れは、長谷と申して観音の霊地わたらせ給ふ」とあり、当時はこの道が北陸道であったとされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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