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積石塚 つみいしづか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

積石塚
つみいしづか

土の代りに石を積んで墳丘を造った墳墓をいう。石を用いるのは,礫石が入手しやすく,凍結期にもつくりやすいなどの理由によるものと思われる。世界各地に分布するが,特に北ヨーロッパのバルト海周辺からロシア,シベリアモンゴルに多い。また中国,朝鮮の石器時代から金属器時代初期の墳墓にもみられ,日本では,香川県石清尾山,長崎県対馬,長野県須坂市大室の古墳群などの積石塚がよく知られている。

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デジタル大辞泉の解説

つみいし‐づか【積(み)石塚】

古墳の一形式。土の代わりに石を積んで築いたもの。日本では香川県高松市の石清尾山(いわせおやま)にあるものが有名。石塚。ケルン

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百科事典マイペディアの解説

積石塚【つみいしづか】

石を積み上げて棺槨(かんかく)をおおった墳墓をいい,礫石(れきせき)を封土の代りに積んだケルンと,切石を規則的に置いた石塚とに分けられる。ケルンは,バルト海周辺,ヨーロッパロシア,シベリアに多く,石塚は中国東北,朝鮮半島に数段からなる形式の整ったものが見える。
→関連項目金鈴塚ケルン

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世界大百科事典 第2版の解説

つみいしづか【積石塚】

石を積み上げて墓室を覆ったもので,ケルンcairnとも呼ばれる。墳丘が積石であるのが一般的な地域では,cairn(積石塚)という言葉は,しばしばbarrow(塚)と同義語に使われる。主として,積石用の石材が豊富な海岸とか河川に近いところや,山間部などで築造された。積石塚は,単に土壙や石棺・石室などの埋葬施設を保護する簡単な構造のものから,墓域を構成するものや,さらに壮大な墳丘墓まで,実に多様である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

積石塚
つみいしづか

古墳時代の墓制の一種。盛土(もりつち)で墳丘を築く古墳に対し、石を積み上げて墳丘を構築する古墳を積石塚または石塚とよぶ。またケルンcairnともいい、世界各地に分布する。墳丘形態は円墳が多いが、方墳、前方後円墳、双方中円墳もみられる。わが国では九州、中国、四国、東海、中部、関東の各地方に及び、地方によって分布に濃淡の差がある。西日本の積石塚には4世紀から5世紀に属する前・中期古墳と、6、7世紀の後期に造営されたものの2時期があり、東日本では中・後期から終末期にかけて築造されている。積石塚の生成は朝鮮半島の墓制の渡来とする説と、石材の容易に入手しうる立地環境の差から生ずるとする説がある。長野県大室(おおむろ)古墳群、山梨県横根(よこね)古墳群、愛知県旗頭山(はたがしらやま)古墳群、香川県石清尾山(いわせおやま)古墳群、山口県見島(みしま)ジーコンボ古墳群が有名である。[大塚初重]

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世界大百科事典内の積石塚の言及

【高句麗】より

…五女山城は,通化に通ずる陸路と渾河の水路を扼する交通の要衝にあり,三方が高い山や絶壁で囲われ,二つ以上の谷間をとりこみ,南方だけが緩斜面になっている地形(栲栳(こうろ)峰)に山城を作っている。この地方の高句麗墓は主として積石塚で,シベリアから伝わり,高句麗で発展した墓制である。これらの古墳から出土した土器類には中国土器の影響がみられる。…

【墳墓】より

…地上に標識を残さないのは盗掘を防いだものであろう。
[墳丘と墓室]
 墳丘を築く場合には,土を盛るもののほか,石を積み上げた積石塚(ケルンcairn),土を盛り,表面全体あるいは一部を切石で化粧したり,石塊を葺いたり(葺石(ふきいし)),周囲に立石を配するなど各種の外装を施したものがある。フランス南西部のルグルドゥRegourdou洞窟では遺体の上に石積みがあり,墳丘状施設の最古の例をなしている。…

※「積石塚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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