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欧州連合 おうしゅうれんごうEuropean Union

翻訳|European Union

知恵蔵の解説

欧州連合

1991年12月、マーストリヒト欧州理事会で再編された欧州統合機構。92年2月、欧州連合(EU)条約(欧州同盟とも呼ぶ)として調印、93年11月に発効した。本部はベルギーの首都ブリュッセル。欧州統合は古い歴史をもつが、最初に具体的なかたちで実現したのは、第2次大戦後の52年、ドイツ、フランス、イタリア、ベネルクス3国の間で発足した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC:European Coal and Steel Community)だった。また、58年に発効したローマ条約により、欧州経済共同体(EEC:European Economic Community)と欧州原子力共同体(EURATOM:European Atomic Community)が成立。この3つの委員会と理事会が67年の融合条約によって一本化され、欧州共同体(EC:European Community)と呼ばれるようになった。60年代後半には共通関税政策・共通農業政策(共同市場)、70年代には共通通商政策が実現し、ヨーロッパは世界的な大市場に成長した。その後通貨統合の試みに踏み出したが、70年代の国際通貨不安や原油危機の影響を受けて一時頓挫、85年にドロール欧州委員長が誕生するまでは欧州統合の「暗黒時代」とも呼ばれている。同年、92年末までに300項目近くの非関税障壁を除去することを目標にした「域内統合白書」が採択された。それはほぼ期日までに実現し、域内市場統合は成功した。また、87年に発効した単一欧州議定書により、ローマ条約以来初めての本格的な改正が行われ、特定多数決制の大幅な導入による閣僚理事会決定のスピード化、「民主主義の赤字」(欧州委員会主導の決定、各国の主権が軽視される傾向)を克服するための欧州議会の権限拡大などが図られた。EU条約では、それをさらに進めた大幅な組織改革が行われ、(1)EC、(2)共通外交・安全保障政策(CFSP)、(3)司法内務協力(JHA、アムステルダム条約による警察・司法協力=PJCC)の3本柱という今日のEUの基本構造はこの時に築かれたものである。その後、97年に調印されたアムステルダム条約では、さらなる議会権限の強化、社会憲章の条文化、自由・民主主義・人権・法の尊重などの基本権の銘記、共通外交・安全保障の分野での決定の迅速化、加盟の基本条件を満たした過半数の国による先行統合(柔軟性の原理)などを定めた。2000年のニース条約では東欧諸国への拡大に伴う機構改革が定められ、欧州憲法条約への道筋が示された。東欧諸国への拡大は04年5月に実現、憲法条約は同年6月に承認されたが、05年フランス・オランダの批准の拒否で足踏み状態になっている。EUは、02年には通貨統合(ユーロ)に成功し、政治統合は共通防衛政策にまで発展している。

(渡邊啓貴 駐仏日本大使館公使 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

欧州連合【おうしゅうれんごう】

ヨーロッパ連合

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

欧州連合
おうしゅうれんごう

ヨーロッパ連合」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内の欧州連合の言及

【ヨーロッパ連合】より

ヨーロッパ共同体(EC),共通外交安全保障政策(CFSP),司法・内務協力(CJHA)の三つの柱からなる。EUと略称し,欧州連合ともいう。
【沿革】
〈ヨーロッパを一つに〉という統合構想の起源は中世にあり,例えば1308年トルコ軍に対する団結を訴えたピエール・デュボアなどに見いだすことができる。…

※「欧州連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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