日本大百科全書(ニッポニカ) 「欽定古今図書集成」の意味・わかりやすい解説
欽定古今図書集成
きんていここんとしょしゅうせい
中国最大の類書。1万巻。古今の図書を網羅してその内容を6彙編(いへん)(歴象(れきしょう)、方輿(ほうよ)、明倫、博物、理学、経済)、32典、6109部に細分し、さらに各部を彙考、総論、図表、列伝、芸文、選句、紀事、雑説、外編に区分している。これによって、中国古今の文化、事物の文献を求めることができる。この書は康煕帝(こうきてい)が晩年に陳夢雷(ちんむらい)らに命じて編集させたが、大事業で皇帝の生前には完成しなかった。次の雍正帝(ようせいてい)は初稿が精密でないので、蒋廷錫(しょうていしゃく)(1669―1732)に改修を命じ、雍正3年(1725)に成ったものを銅活字で同6年に80部印刷させた。一般には光緒10年(1884)上海(シャンハイ)図書集成局版が用いられる。まだ考証が進んでいなかったため、所拠文献に誤りがあるので注意を要する。
[彌吉光長]