改訂新版 世界大百科事典 「正理一滴論」の意味・わかりやすい解説 正理一滴論 (しょうりいってきろん) 仏教論理学・哲学の綱要書。ダルマキールティ(法称,7世紀の人)著。サンスクリット名は《ニヤーヤ・ビンドゥNyāya-bindu(論理のひとしずく)》。サンスクリット原典とチベット語訳が現存。全3章211の偈文からなり,第1章で正しい認識を直接知覚と推論に分けたうえ,直接知覚について論じ,第2章で推論のうち自分自身が理解するためのものを論じ,第3章で他人に理解させるための推論を論ずる。ダルモッタラDharmottara(法上)らの注釈がある。→ディグナーガ執筆者:末木 文美士 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by