歪の適合性(読み)ひずみのてきごうせい

最新 地学事典 「歪の適合性」の解説

ひずみのてきごうせい
歪の適合性

strain compatibility

ある物体をいくつかの要素に分割し,それぞれに任意の歪みを発生させ,これらの要素をもとの位置に戻しても,一般には変形前のようにはうまくかみ合わない。このことは,物体が変形しても重複や空隙などをつくって連続性を失わないように,物体内の各点での歪みを関連づける制約が存在しなければならないことを示している。この制約のことを歪みの適合性という。無限小歪みでは,固体内の任意の点での歪みテンソルεijと変位μiの関係は,εij=1/2(ui,j+uj,i)によって与えられる。ここで,コンマ(,)の後の指標,例えばiはxiに関する偏微分を表す(uj,i=∂uj/∂xi)。したがって,変位成分u1, u2, u3が与えられると,その点の6個の歪み成分εijが計算され,逆に,歪み成分が与えられると,3個の未知関数である変位成分u1, u2, u3を6個の方程式から求めることになる。そこで,変位の一価連続性を保証するには,歪み成分εijを拘束する条件が必要である。この条件は,適合条件といわれ,εij,kl+εkl,ij-εik,jl-εjl,ik=0で表される。この条件式は,単連結領域で変位u1が一価関数として決まるための必要十分条件で,St.Venantの適合方程式(equation of compatibility)といわれる。この式は81個の式からなるが,εijの対称性から独立な式は6個となる。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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