偏微分(読み)ヘンビブン(その他表記)partial differential

デジタル大辞泉 「偏微分」の意味・読み・例文・類語

へん‐びぶん【偏微分】

偏導関数一つ変数のみを変化させて関数変化率を求めること。また、その値。

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精選版 日本国語大辞典 「偏微分」の意味・読み・例文・類語

へん‐びぶん【偏微分】

  1. 〘 名詞 〙 多変数関数の偏導関数を求めること。

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改訂新版 世界大百科事典 「偏微分」の意味・わかりやすい解説

偏微分 (へんびぶん)
partial differential

二つ以上の変数xy,……の関数fがあるとき,これを一つの変数,例えばxだけに注目し,他の変数は固定して定数とみなし,xの関数として微分することを関数fxで偏微分するという。関数fxで偏微分することによって得られる微分係数を変数xに関するf偏微分係数と呼んで,\(\frac{∂f}{∂x}\),またはfxと書く。例えば2変数の関数fxy)について書くと,

fxに関する偏微分係数である。これをxyの関数と考えるときfxに関する偏導関数という。偏微分係数,あるいは偏導関数を求める手続を偏微分法というが,この偏微分法のことを偏微分と略称することが多い。むしろこの略称のほうがふつうに使われているので,検索の便宜のため偏微分を項目名とした。なお,偏導関数のことを偏微分と呼ぶことがあるが,これは正しい用法ではない。上に述べた\(\frac{∂f}{∂x}\)の定義と同様にして,xを固定してyについて微分することにより,変数yに関するfの偏導関数が定義される。さらに高階の偏導関数の定義や性質などについては,〈微分〉の項を見られたい。
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百科事典マイペディア 「偏微分」の意味・わかりやすい解説

偏微分【へんびぶん】

n個の変数x1,x2,…,x(/n)の関数f(x1,x2,…,x(/n))があるとき,変数のうちの一つ,たとえばx(/i)を除いた他のn−1個の変数の値を固定し,これによって生じるx(/i)だけの関数をx(/i)について微分することを,関数fをx(/i)で偏微分するという。これによって得られる微分係数,導関数をx(/i)に関する偏微分係数,偏導関数といい,∂f/∂x(/i)または(式1)と書く。一点またはある範囲で,ある関数のすべての変数に関する偏微分係数が存在するとき,その関数はその点または範囲で偏微分可能であるという。→微分全微分
→関連項目コワレフスカヤ

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