残火(読み)ザンカ

デジタル大辞泉 「残火」の意味・読み・例文・類語

ざん‐か〔‐クワ〕【残火】

燃え残りの火。残り火。
暁の茶事のとき、前夜からの灯籠とうろうの灯が、かすかに露地を照らしていること。残灯

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「残火」の意味・読み・例文・類語

ざん‐か‥クヮ【残火】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 消え残っている火。のこりび。
    1. [初出の実例]「寛永以来三百年間の迫害に堪へて来た渠等の殉教精神は決して衰へてはゐなかったが、其の頃のは、残火のプスプスと燃える余熱であって」(出典:読書放浪(1933)〈内田魯庵〉読書放浪)
  3. 暁の茶事で、前夜の灯籠(とうろう)の火が、露地を照らしていること。残灯。
  4. ( 「ざんかえ(残火会)」の略 ) =ざんか(残火)の茶会
    1. [初出の実例]「残火本意はわびの饗応などいとひて、客ありし跡につけ入て所望すること也。亭主に成ては初の客同前に馳走するこそ本意なれ」(出典:南方録(茶道古典全集所収)(17C後)秘伝九ヶ条)

のこり‐び【残火】

  1. 〘 名詞 〙 本格的な燃焼のあとになお残っている火。老いたり滅んだりしてゆくものにわずかに残る、気、力のたとえにも用いる。
    1. [初出の実例]「それでは、残り火はどうして消したか、水をかけたのか」(出典:或る死、或る生(1939)〈保高徳蔵〉二)

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