普及版 字通 「毋」の読み・字形・画数・意味
毋
4画
[字訓] なかれ・なし
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 仮借
もと母の字で象形。金文に母の字形のままで打消に用いる。のち両乳を直線化して、母・毋を区別した。〔説文〕十二下に「之れを止むるなり。女に從ふ。之れを奸(をか)すり」とし、〔伝〕に「能く守ることるなり。此れ指事なり」とするが、声による仮借義である。禁止の意に無(ぶ)・(亡)(ぼう)・(ばく)などの音を借り用いる。無は(舞)の初文、は死亡者の骨、は(暮)の初文で、それぞれ別に本義のある字である。
[訓義]
1. なかれ、禁止の辞。
2. ず、なし。
3. 発声の語としてそえる、毋寧。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕毋 ナシ・ツクス
[語系]
〔経伝釈詞〕に毋・無・・(忘)・(妄)を一類として多く通用の例をあげ、罔・(微)・勿をもその一類に加える。罔(もう)は(網)の初文。は女巫をって呪詛を祓う共感呪術、勿は弓を弾いて祓う方法で、・勿の二字には、呪儀による否定の意がある。
[熟語]
毋意▶・毋状▶・毋寧▶・毋望▶・毋慮▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報