母乳性黄疸(読み)ぼにゅうせいおうだん(その他表記)Mother's Milk Jaundice

家庭医学館 「母乳性黄疸」の解説

ぼにゅうせいおうだん【母乳性黄疸 Mother's Milk Jaundice】

[どんな病気か]
 母乳栄養成熟児の約10~15%にみられる遷延性(せんえんせい)黄疸で、非閉塞型(ひへいそくがた)黄疸です。
 生後4~7日ごろから黄疸が増強し、2~3週でピークに達した後も高間接型(こうかんせつがた)ビリルビン血症(けっしょう)が持続し、2~3か月で消失します。血中(けっちゅう)の総ビリルビン値は1dℓ中20mg以上に達することがあります。ただし、身体的発育発達は正常で、核黄疸(かくおうだん)(「核黄疸」)を示す所見もありません。
 母乳栄養以外に遷延性黄疸の原因がないことを確認するため、母乳を一時的(2~3日間)に人工乳に変更します。すると血中のビリルビン値が減少しますが、その後、母乳を再開してもビリルビン値は再上昇しません。それを確認して判定されます。
 母乳性黄疸は良性の黄疸で、核黄疸へ進展する例はありません。重要なのは、母乳栄養児の遷延性黄疸をすぐに母乳性黄疸と決めつけず、きちんと診察を受け、経過観察することです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android