家庭医学館 「母乳性黄疸」の解説
ぼにゅうせいおうだん【母乳性黄疸 Mother's Milk Jaundice】
母乳栄養成熟児の約10~15%にみられる遷延性(せんえんせい)黄疸で、非閉塞型(ひへいそくがた)黄疸です。
生後4~7日ごろから黄疸が増強し、2~3週でピークに達した後も高間接型(こうかんせつがた)ビリルビン血症(けっしょう)が持続し、2~3か月で消失します。血中(けっちゅう)の総ビリルビン値は1dℓ中20mg以上に達することがあります。ただし、身体的発育や発達は正常で、核黄疸(かくおうだん)(「核黄疸」)を示す所見もありません。
母乳栄養以外に遷延性黄疸の原因がないことを確認するため、母乳を一時的(2~3日間)に人工乳に変更します。すると血中のビリルビン値が減少しますが、その後、母乳を再開してもビリルビン値は再上昇しません。それを確認して判定されます。
母乳性黄疸は良性の黄疸で、核黄疸へ進展する例はありません。重要なのは、母乳栄養児の遷延性黄疸をすぐに母乳性黄疸と決めつけず、きちんと診察を受け、経過観察することです。