比企ヶ谷(読み)ひきがやつ

日本歴史地名大系 「比企ヶ谷」の解説

比企ヶ谷
ひきがやつ

現在の妙本みようほん寺とその周辺地域の地名。源頼朝の乳母比企禅尼や比企能員ら一族の居館のあったことに由来するという。「攬勝考」はうりヶ谷とも称したらしいとするが未詳。曳谷・比器谷とも記された。

「吾妻鏡」に次の記事がみえる。寿永元年(一一八二)七月一二日、北条政子が産気づいたので輿に乗って「比企谷殿」に渡御した。承元三年(一二〇九)五月一五日、将軍頼家は駿河局の「比企谷家」に渡御、ここは山水納涼の地であると記している。建長二年(一二五〇)一二月一一日、幕府南庭で毎夜鳴く狐を引目で射たところ、その鳴声が「比企谷方」まで聞えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android