比田井村(読み)ひたいむら

日本歴史地名大系 「比田井村」の解説

比田井村
ひたいむら

[現在地名]望月町比田井

望月もちづき宿の南、天神林てんじんばやし村を過ぎた鹿曲かくま川西岸の丘陵地に位置し、その南は春日かすが(現望月町春日)

村域に彦狭島王の墓と伝える古墳があり、付近に王城おうじよう内裏窪だいりくぼ等の地字名も残る。

「日本書紀」景行天皇五五年に、「五十五年、春二月戊子朔壬辰(五日)、以狭嶋王拝東山道十五国都督、是豊城命之孫也、然到春日穴咋邑、臥病而薨之、是時東国百姓悲其王不至、窃盗王尸、葬於上野国」とある春日穴咋邑あなぐいむらがこの地とされている。

中世には古代より東信地方に繁栄した望月氏の一族の支配下にあり、その衰退後永禄三年(一五六〇)には「百三拾五貫文 大井庄比田井郷」(「武田信玄安堵状」矢島文書)となるも、天正一〇年(一五八二)六月、武田氏滅亡後、徳川家康に属した依田信蕃が春日城に入って後は、一円その支配下となる(依田記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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