毛巣洞(読み)もうそうどう(その他表記)pilonidal sinus

改訂新版 世界大百科事典 「毛巣洞」の意味・わかりやすい解説

毛巣洞 (もうそうどう)
pilonidal sinus

毛髪洞,毛巣瘻(ろう)pilonidal fistulaともいう。腰の仙尾骨部の皮下に生じる慢性排膿性の洞をいう。先天的なものも知られるが,通常は後天性で,摩擦圧迫などによって毛髪が皮下に押し込まれ,囊胞のような形となって生じるものと考えられている。先天性の要因は約10%と少ない。男女比は3対1で男性に多く,毛深い人に多い。白人に多いが,東洋人や黒人には少ない。ジープによく乗る軍人に多発したことからジープ病jeep diseaseとも呼ばれる。多くは無症状で,仙尾骨部の皮膚の正中部付近に1~数本の毛髪が開口部から突出しているのがみられるが,感染するとこの部分が腫張し,圧痛や自発痛を伴い,排膿がみられるようになる。治療は,急性感染により膿瘍が形成された場合は切開して排膿するが,慢性の排膿性洞は難治で,手術的に洞を切除するが,通常は縫合せずに,創を開放しておく方法が行われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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