日本歴史地名大系 「毛谷黒竜神社」の解説 毛谷黒竜神社けやくろたつじんじや 福井県:福井市福井城下神宮寺町毛谷黒竜神社[現在地名]福井市毛矢三丁目足羽(あすわ)山の東麓に鎮座する。祭神は闇(くらおかみ)神・高(たかおかみ)神・継体天皇。旧郷社。「延喜式」神名帳に載る坂井(さかい)郡「毛谷(ケタニノ)神社」(ケヤともよむ)に比定される。江戸時代の福井城下神宮寺(じんぐうじ)町・毛矢(けや)町一帯の産土神。継体天皇の治水工事に際して黒竜川(九頭竜川)の守護神である闇神・高神の二神を吉田(よしだ)郡舟橋(ふなばし)村(現福井市)に祀ったのに始まり、元徳元年(一三二九)神託によって羽倉部祐海が善住(ぜんじゆう)山(足羽山)に遷宮したと伝える(黒竜社記)。「太平記」巻二〇(黒丸城初度軍事付足羽度々軍事)に延元三年(一三三八)五月二日、「一条ノ少将行実朝臣、五百余騎ニテ江守(えもり)ヨリ押寄テ、黒竜(くづれの)明神ノ前ニテ相戦フ」とある「黒竜明神」は、当時すでに足羽山に移されていた当社のことと思われる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by