気が悪い(読み)きがわるい

精選版 日本国語大辞典 「気が悪い」の意味・読み・例文・類語

き【気】 が 悪(わる)

① 気分が悪い。快くない。
※虎明本狂言・文蔵(室町末‐近世初)「人の云事を〈略〉ききとどけねばきがわるふなるが」
気味が悪い。
※浄瑠璃・道中亀山噺(1778)二「此化物はずんど正道な、爾な気の悪い化物じゃ無い」
③ 気が重い。憂鬱(ゆううつ)である。
洒落本・𡝂閣秘言(1757頃)身仕廻部屋の段「それでわしゃ末の事おもふと、とんときがわるいわいな」
意地が悪い。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)一「ああこれ佐賀右気の悪い。貴様が取り成言うてくれねば仕廻いが付かぬ」
欲望をかきたてられるような情景や物を見たり聞いたりして妙な気分である。
(イ) 色情が刺激される。
※雑俳・柳籠裏(1783‐86)正月一五日「気のわるひものあふのけにねた女」
(ロ) 物欲が刺激される。
歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)二幕「『〈略〉頼朝様へ差上げなば、褒美の金は望み次第』『そりゃあ気(キ)の悪(ワル)い話だな』」
(ハ) 食欲をそそられる。
※歌舞伎・舛鯉滝白旗(閻魔小兵衛)(1851)二幕「『おわたさん、濁酒のいいのが出来たがどうだ』『白馬と聞いちゃあ気(キ)が悪(ワル)いの〈略〉』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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