白馬(読み)ハクバ

デジタル大辞泉 「白馬」の意味・読み・例文・類語

はく‐ば【白馬】

まっ白な毛色の馬。白駒はっく
[類語]牡馬ぼば牝馬ひんば子馬小馬若駒名馬麒麟駿馬優駿駄馬駑馬どば青馬軍馬競走馬馬車馬輓馬ばんば引き馬裸馬放れ馬暴れ馬荒馬奔馬種馬当て馬驢馬ろば騾馬らば

しろ‐うま【白馬】

毛色の白い馬。はくば。あおうま
濁り酒。どぶろく。
「わるくすると―の一盃いっぺいもひっかけられねえんだが」〈蘆花黒潮

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精選版 日本国語大辞典 「白馬」の意味・読み・例文・類語

はく‐ば【白馬】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 毛色の白い馬。白駒(はっく)。あおうま
      1. [初出の実例]「白馬時来無吏問、東西行客日夜通」(出典:文華秀麗集(818)下・奉和過古関〈宮部村継〉)
      2. [その他の文献]〔礼記‐明堂位〕
    2. 月日など早く過ぎ去るもののたとえにいう。光陰。白駒(はっく)
      1. [初出の実例]「旦作席上之主、夕為泉下之客。白馬走来、黄泉何及」(出典:万葉集(8C後)五・悲歎俗道仮合即離易去難留詩序)
    3. ( 二人のインド僧が仏像と経典を白馬に載せて中国に仏教を伝えたという故事から ) インドから中国へ仏教が伝来したことをいう。
      1. [初出の実例]「白馬白象之後、乳水暗合、教則行焉、興廃流塞、待人待時矣」(出典:性霊集‐五(835頃)請越州節度使内外文書啓)
  2. [ 2 ]はくばじ(白馬寺)」の略。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

しろ‐うま【白馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 毛色の白い馬。はくば。あおうま。
    1. [初出の実例]「みちあしくて、あしげなる馬どろかたになりたりけるを見て、〈略〉しろ馬はどろかたにこそなりにけれつちあしげとやいふべかるらん」(出典:古今著聞集(1254)二〇)
  3. 濁醪(どぶろく)の異称。しろざけ。
    1. [初出の実例]「長い銭が取れない故、白馬(シロウマ)も呑めねえわな」(出典:歌舞伎・舛鯉滝白旗(閻魔小兵衛)(1851)大切)
  4. 銀貨のことをいう。
    1. [初出の実例]「山崎で白馬二疋ほどの処、花火を見せてもらうて、酒は沢やま飲み次第」(出典:洒落本・北川蜆売(1826)上)
  5. 白く砕けてうねる大波。
    1. [初出の実例]「『〈略〉ありゃありゃ。浪が来るわ来るわ』『そりゃ白馬ぢゃ白馬ぢゃ』」(出典:歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語(1770)口明)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白馬」の意味・わかりやすい解説

白馬(村)
はくば

長野県北西部北安曇郡(きたあずみぐん)の村。北アルプス後立山(うしろたてやま)連峰の主峰白馬岳(しろうまだけ)東麓(ろく)に広がる。1956年(昭和31)神城(かみしろ)、北城(ほくじょう)の2村が合併して成立。JR大糸線、国道148号糸魚川(いといがわ)街道)が南北にほぼ並行して走り、国道406号を分岐する。姫川上流に位置し、谷底の平地は水田化されている。県下有数の豪雪地で、1960年ごろからスキーブームにのって観光開発が進んだ。八方(はっぽう)尾根などは豪壮なアルペンスキーを楽しめ、県下のスキーの中心地の一つ。1998年(平成10)の長野冬季オリンピックでは、スキーの競技会場となっている。農家は民宿を兼ね、近代的建物に改造し、ホテル、ロッジなども進出し、シーズン中の入り込みによる人口増加も県下有数。中心集落細野(ほその)は県下の民宿の発祥地であり、また白馬岳登山基地であった。山麓の高原は別荘地にも開発されている。北東の山腹に位置する青鬼(あおに)の山村集落は、2000年(平成12)重要伝統的建造物群保存地区に選定された。面積189.36平方キロメートル(一部境界未定)、人口8575(2020)。

[小林寛義]

『白馬村公民館編『白馬のしるべ』(1970・白馬村)』『石沢清著『北アルプス白馬ものがたり』(1972・信濃路)』


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改訂新版 世界大百科事典 「白馬」の意味・わかりやすい解説

白馬[村] (はくば)

長野県北西端,北安曇(きたあずみ)郡の村。人口9205(2010)。姫川上流域に位置し,西部には飛驒山脈の白馬(しろうま)岳,鑓ヶ岳(やりがたけ)がそびえる。北流する姫川沿いに狭い低地が開けるほかは村域の大半は山地である。豪雪地のため水田単作と養蚕を主とする農家が大部分を占める山村にすぎなかったが,昭和30年代から観光開発がすすみ,白馬登山のほかスキー場,学生村などを中心とする観光村に変貌した。1980年代以降リゾートホテル,ペンションが増え,日本有数の冬季リゾート地となっている。白馬鑓温泉があり,八方尾根,岩岳,白馬五竜,サンアルピナ白馬さのさかなどのスキー場には年間200万人を超えるスキー客が訪れる。JR大糸線,国道148号線が通じる。
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百科事典マイペディア 「白馬」の意味・わかりやすい解説

白馬[村]【はくば】

長野県北西部,北安曇郡の村。西には飛騨山脈があり富山県と接し,高山植物や大雪渓で知られる白馬岳(2932m)や,高所に湧く温泉が魅力の鑓ヶ岳(2903m)など3000m級の山々が連なり中部山岳国立公園に属する。村の中央を姫川が北流し,川沿いの平坦地をJR大糸線と国道148号が,東部に広がる筑摩山地を越えて国道406号が通じる。フォッサマグナ沿いに立地し,2014年11月には規模の大きな地震も発生している。冬場は多雪で,岩蕈(いわたけ)山や八方尾根,遠見尾根には大規模なスキー場が広がり多くのスキーヤーでにぎわうなど,観光業が盛ん。1998年に行われた冬季長野オリンピックでは,ジャンプやアルペンなどの競技会場となった。189.36km2。9205人(2010)。

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普及版 字通 「白馬」の読み・字形・画数・意味

【白馬】はくば

白い馬。神事や犠牲に用いた。〔史記、呂后紀〕高、白馬を刑(ころ)し(ちか)うて曰く、劉氏に非ずして王たらんとするものは、天下共に之れをたんと。今呂氏を王とするは、に非ざるなり。

字通「白」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「白馬」の解説

白馬

長野県北安曇郡白馬村にある道の駅。国道148号に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の白馬の言及

【どぶろく(濁酒)】より

…〈すみさけ(清酒)〉に対する〈にごりざけ〉で,濁醪(だくろう)ともいう。清酒の醸造過程でできる〈もろみ(醪)〉をかす(粕,糟)をこさずに,そのまま飲用に供するもので,〈もろみ(諸味)酒〉ともいい,白濁しているところから〈白馬(しろうま)〉の俗称もある。禅僧一休宗純の《狂雲集》に〈喫酒は必ず濁醪を用ゆべし,肴はすなわちその糟のみ〉と見えるが,よくできたものには清酒とは異なったうまみがある。…

【ウマ(馬)】より

…あかつきの女神ウシャスも馬に引かせた車に乗って1日のうちに万物のまわりを巡回している。北欧神話では,太陽の侍女と夫が2頭立ての戦車を御し,昼の神が白馬に引かれた戦車で走っている。前1400年ころのデンマークのトルンドホルム出土の青銅製の馬に引かれた四輪車は,車の上に太陽を象徴する黄金の円盤を乗せているのである。…

※「白馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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