気相成長法(読み)キソウセイチョウホウ

化学辞典 第2版「気相成長法」の解説

気相成長法
キソウセイチョウホウ
gas phase crystal growth method, gas phase deposition method, vapor deposition method

気相から結晶を育成する方法.昇華法と気相反応法とがある.気相反応法では,反応性混合気体や高温で熱分解しやすい気体を触媒や下地結晶などを兼ねた基板上に流して,そこで反応させて結晶化させる.たとえば,GeCl4と H2 との混合気体を加熱した基板上に流し,還元反応によりGe薄膜をエピタキシャル成長(エピタキシー)させたり,1100 ℃ 前後に加熱された基板上にSiH4を導いて,

SiH4(g) → Si(s) + 2H2(g)

の反応によりSi結晶を得たりする(熱分解法).これらの方法は,化学輸送反応の一種と考えられ,気体分子の輸送速度が小さく,また乱流が発生することによって濃度差を生じやすいので,一般にこの方法で得られる結晶は,微粒子,薄膜,ウィスカーや板状の小さな結晶が多い.酸化物,ヒ化物,窒化物などに広く応用され,蒸発性のハロゲン化物を媒介として,H2O,NH3ガスを介在させるのが普通である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の気相成長法の言及

【薄膜】より

…一方,非平衡過程で形成された薄膜には,異常構造,非化学量論性などが現れやすく,品質に問題が生ずることもあるが,反面,新しい性質が生まれる可能性もある。 準平衡過程による薄膜製造法の代表は気相成長法(CVD法。chemical vapor depositionの略)である。…

※「気相成長法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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