気象レーダ(読み)きしょうレーダ(その他表記)meteorological radar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気象レーダ」の意味・わかりやすい解説

気象レーダ
きしょうレーダ
meteorological radar

アンテナを回転させながら電波(マイクロ波。波長 5~10cm)を発射し,半径数百kmの広範囲内に存在する雨や雪を観測するもの。発射した電波が戻ってくるまでの時間から雨や雪までの距離をはかり,戻ってきた電波(レーダエコー)の強さから雨や雪の強さを観測する。また,気象ドップラーレーダは,雨や雪の強さに加え,戻ってきた電波の周波数のずれ(ドップラー効果)を利用して,雨や雪の動きを観測することができる(→ドップラーレーダ)。気象レーダは日本全国に約 20基配置されており,順次ドップラーレーダに置き換えられている。観測データはコンピュータ処理され,デジタル化されコンピュータで空間的に合成して表示している。また,マイクロ波ではなく超短波極超短波を使って,雨雲がなくても上空大気の動きを観測することができるウィンドプロファイラが約 30基配置されている。気象レーダは地上気象観測高層気象観測アメダス気象衛星とともに気象観測の重要な手段として,天気予報や防災気象に利用されている。

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