日本大百科全書(ニッポニカ) 「水産大学」の意味・わかりやすい解説
水産大学
すいさんだいがく
水産学を講ずることを目的とした高等教育機関。狭義には国立の東京水産大学をさしたが、同大学は2003年、東京商船大学と統合し、東京海洋大学となっている(水産学関連の教育課程は継続)。日本では、1887年(明治20)に開設された農商務省の東京農林学校が最初であるが、その後改廃されて明治の末になり、水産講習所(のち東京水産大学、現東京海洋大学)、東北帝国大学農科大学水産学科(現北海道大学大学院水産科学研究科)、東京帝国大学農科大学水産学科(現東京大学大学院農学生命科学研究科)に水産学の専門課程が置かれるようになった。
1990年代に多くの大学で組織改革があり、従来通りの水産学部や水産学科の名称を用いる大学が減少した。2003年(平成15)10月現在、国立大学の大学院水産科学関連研究科が4校、水産関連学部が4校あり、私立には水産学部が1校ある。また大学に準じた水産大学校が1校ある。さらに関連講座を有する大学がある。
[杉田治男]