水田中耕除草機(読み)すいでんちゅうこうじょそうき

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水田中耕除草機
すいでんちゅうこうじょそうき

水田の中耕除草に用いる機械で、元は除草爪(づめ)、雁爪(がんづめ)、田かき万能などを使用し、腰を曲げての作業であったが、その後、田打(たうち)車を改良した人力手押しの回転式中耕除草機や除草用の八反(はったん)取りにかわり、さらに畜力用三条取り、ティラー用三条取りが一部の地域で利用された。
 回転式中耕除草機は、2個の転車の作用で水稲の条間の中耕除草を行うもので、前転車の爪は細長く先がとがっていて土中に食い込みやすく、おもに反転除草に適し、後転車の爪は幅広く湾曲を強くしてあるので、前転車で膨軟にした土壌を反転埋草するのに適している。畜力用三条用は、この転車を横に3個並列に取り付けたもので、作業能率も高いが、旋回時における牛馬の踏み付けによる水稲の損傷と、水や泥が付着して重量の増した除草機の持ち回りが嫌われて、あまり普及しなかった。これに比較してティラー用三条取りは、転車を1個にし、ゴム車輪にかえて、幅が狭く径の大きい鉄製の水田車輪を使用したため、作業は軽快でイネの損傷も少なく、旋回も容易となり、広範囲に普及するものと期待された。一方、昭和30年代の初めから除草剤が急速に普及し、機械による中耕除草と除草剤の作用とその効果について種々論議されたが、いつとはなしに中耕除草機の利用が減少し、除草剤がこれにかわっている。
 1971年(昭和46)以降、自脱型コンバインが普及し、排出される細切り生藁(わら)を有機質肥料にかえて土中にすき込む地域では、生藁の分解が遅れ水稲生育中に有毒物を発生して水稲の根を傷めるため、ふたたび中耕除草機の効果が見直され、小形の中耕機が東北、北陸、関東地方の一部で使用されるようになった。[佐藤清美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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