水落町(読み)みずおちちよう

日本歴史地名大系 「水落町」の解説

水落町
みずおちちよう

[現在地名]堺市戎之えびすのひがし四―五丁

中島なかじま町の東から戎寺えびすてら町にかけての町。安土桃山時代の茶人水落宗意は千利休の門人で堺水落町の住人と伝える(数奇者名匠集)。元禄二年(一六八九)堺大絵図によると山之上鍛冶屋町やまのうえかじやちよう筋の両頬、一筋東の火鉢屋町ひばちやちよう筋の両頬、さらに一筋東の金物町かなものちよう筋の西頬が「水落町」で、火鉢屋町筋の西頬南寄りに町会所、同じく北寄りには北端郷職事屋敷が記される。また同絵図に載る奈良屋勘右衛門は貞享二年(一六八五)再興時の糸割符商人で(糸乱記)、町内には三軒の掛屋敷も所持していたことがわかる。


水落町
みずおちちよう

上京区上立売通小川西入下ル

町の中央を南北に油小路あぶらのこうじ通が通り、北は上立売かみたちうり通。北からの小川おがわの流路が当町で東へ曲折する。この地で河流に落差があるため、町名が付されたのであろう。

応仁記」に応仁元年(一四六七)五月二六日の戦いで、西軍の「山名方しどろに打負て、塩谷が宿所をも焼払はれ、南の水落寺・花の坊・集好院・花開院も焼落て」とある。当町西側にあった水落寺(中古京師内外地図)は享保年中(一七一六―三六)に田中村(現左京区)の近辺に移転したとされるが、その後の経緯は不詳。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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