永江庄(読み)ながえのしよう

日本歴史地名大系 「永江庄」の解説

永江庄
ながえのしよう

三上みかみ郡の中心部、現在の川手かわてほん宮内みやうち新庄しんじようの四町付近が荘域にあたるとされる。荘名は応安七年(一三七四)七月二二日付の山内通忠宛の今川頼泰預ケ状(山内首藤家文書)に「備後国三上郡内高郷地頭職、同郡内長江庄半分事、為兵粮料所々預置也」とみえる。江戸末期の書「庄原雑録」(「庄原市史」所収)所収の応永八年(一四〇一)の沖家文書に「建仁寺領備後国永江庄」とみえ、また同一七年の「建仁寺領諸国注進目録ノ事」(建仁寺旧記)記載の寺領一八ヵ所のなかに「備後国永江ノ庄地頭職」があげられている。しかし詳細は不明。「芸藩通志」には宮内八幡宮の祠官永江氏にちなみ荘名を生じたとあるが、当庄の成立にいかなる関係があった人物か明らかでない。

前記応安七年の預ケ状によれば、じび庄の地頭山内通忠は南北朝内乱期に足利方として戦功があり、当庄の半分を兵糧料所として得ているので、この頃から山内氏の勢力が及び始めたとみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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