永見伝三郎(読み)ながみ・でんざぶろう

朝日日本歴史人物事典 「永見伝三郎」の解説

永見伝三郎

没年:明治32.8.27(1899)
生年天保2(1831)
幕末明治初期の長崎豪商,銀行家。輸入薬種,砂糖などの大問屋で薩摩(鹿児島)藩の御用商人でもあった長崎本町町人永見福十郎の3男。長崎生まれ。長兄徳太郎(初代)が早世したのちも本家永見家を守り立てながら,薩摩藩の五代友厚とも交渉を持ち,五代の貿易事業にも深くかかわった。維新後,旧産物会所(糸割符,俵物会所)の貸付金整理を行う協力社の一員となったが,明治5(1872)年1月,松田源五郎と共同で永見松田商社(のち立誠社)を創立し,近代的金融機関の設立をめざした。10年12月20日,長崎で第十八国立銀行を開業し(資本金16万円),初代頭取に就任。<参考文献>『十八銀行100年の歩み』,宮本又次『五代友厚伝』

(高嶋雅明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「永見伝三郎」の解説

永見伝三郎 ながみ-でんざぶろう

1831-1899 幕末-明治時代貿易商,銀行家。
天保(てんぽう)2年生まれ。貿易,大名貸で産をなした永見屋に生まれる。明治5年松田源五郎と永見松田商社(のち立誠社)を設立。国立銀行条例改正で,10年第十八国立銀行にあらため,初代頭取となった。明治32年8月27日死去。69歳。肥前長崎出身。名は英昌。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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