朝日日本歴史人物事典 「永見伝三郎」の解説
永見伝三郎
生年:天保2(1831)
幕末明治初期の長崎の豪商,銀行家。輸入薬種,砂糖などの大問屋で薩摩(鹿児島)藩の御用商人でもあった長崎本町町人永見福十郎の3男。長崎生まれ。長兄徳太郎(初代)が早世したのちも本家永見家を守り立てながら,薩摩藩の五代友厚とも交渉を持ち,五代の貿易事業にも深くかかわった。維新後,旧産物会所(糸割符,俵物会所)の貸付金整理を行う協力社の一員となったが,明治5(1872)年1月,松田源五郎と共同で永見松田商社(のち立誠社)を創立し,近代的金融機関の設立をめざした。10年12月20日,長崎で第十八国立銀行を開業し(資本金16万円),初代頭取に就任。<参考文献>『十八銀行100年の歩み』,宮本又次『五代友厚伝』
(高嶋雅明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報