日本歴史地名大系 「江差町史」の解説
江差町史
えさしちようし
一一巻・一二冊 江差町史編集室編 江差町 昭和五二年―平成一一年刊
解説 江差は松前・箱館(函館)と並ぶ近世三湊の一つであり、明治以後もその性格を永く持続した所である。町ではまずその性格の究明に重点を置いた史料発掘とその公刊に努めた。昭和二五年江差町史編纂委員会発足後、近世史料の収集・整理に時間をかけた。同五一年委員会再編後、翌五二年に第一巻刊行、毎年一冊刊行して同五六年までに、資料三・通説二計五巻の計画を立てた。その後資料四を追加し、通説も二巻を出して同五八年第一期編纂事業を終了。平成二年改めて第二期事業に掛り、資料二巻通説三巻刊行を計画した。
構成 第一巻資料一(沖ノ口海官所関係、檜山関係、口蝦夷場所請関係、江差問屋関係。一千三四八頁)、第二巻資料二(北前船商取引関係、金融・地場企業・仕込・鯡漁業関係など明治中期に至る。一千五二六頁)、第三巻資料三(藩政・町政関係、明治戊辰・己巳戦争関係、教育・文化・信仰関係。一千五一五頁)、第四巻資料四(新発見の関川家文書。特権商人関川家の所蔵資料は今までほとんど世に出ることがなく、一〇万点を超えるがその一部を登載。全容については巻頭に仮目録七四頁を付す。一千五四六頁)。第五巻通説一(先史時代・中世・近世、とくに第五章「藩政下の江差」で産業・経済中心に記述し、問屋制や海運の発達に重点を置く)、第六巻通説二(明治以降を対象とする。近代の江差を概観し、第九章「江差経済の変貌」で問屋制度の廃止、北前船の終焉、江差商人の変貌などを記述し、第一〇章で江差文化について約三〇〇頁を割く。別冊「江差町史年表」一八一頁を付す)、第七巻資料五(町村政関係、総合開発関係)、第八巻年表・索引(二冊、各三八六頁)、第九巻通説三(明治中期―第二次大戦中)、第一〇巻通説四(第二次大戦後―昭和三〇年代)、第一一巻通説五(昭和三〇年代―昭和末期)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報