朝日日本歴史人物事典 「江戸重長」の解説
江戸重長
平安後期の武将。関東平氏秩父氏の一流で,武蔵国豊島郡(東京都北区一帯)江戸郷を名字の地とする在地領主。通称太郎。父は重継。治承4(1180)年8月の源頼朝挙兵の際には,同族の河越重頼,畠山重忠らと共に頼朝方の三浦氏を攻めた。同10月,房総に再起した頼朝の大軍が武蔵国に迫ると,同族葛西・豊島氏の斡旋で降伏した。このとき頼朝から武蔵国在庁の指揮権である留守所総検校職に補任された。この補任については諸説あるが,河越・畠山以下同族の大半が頼朝に従軍して鎌倉に向かったため,武蔵国の留守警護のため一時的職権として与えられたものと考えられている。
(海津一朗)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報