沙汰無(読み)さたなし

精選版 日本国語大辞典 「沙汰無」の意味・読み・例文・類語

さた‐なし【沙汰無】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 他に知らせないこと。黙っていること。ないしょ。秘密。
    1. [初出の実例]「夫成らばいふて聞さうが、必沙汰なしでおりやるぞや」(出典:虎寛本狂言・米市(室町末‐近世初))
  3. 表沙汰にしないこと。穏便にすますこと。また、そのようにするさま。
    1. [初出の実例]「世之介を捕えて、とかくは片小鬢(かたこびん)剃られて、其夜沙汰なしに、行方しらずなりにき」(出典浮世草子・好色一代男(1682)三)
  4. 話がなかったことにすること。とりやめること。中止
    1. [初出の実例]「又分別替りて、夜ぬけの事は沙汰(サタ)なしにして」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)二)
  5. 相手に知らせないこと。ことわりなし。
    1. [初出の実例]「例の友へもさたなしに抜買(ぬけがい)と出ようか」(出典:洒落本・初葉南志(1780))
  6. おとずれのないこと。便りのないこと。無沙汰。
    1. [初出の実例]「一向(さっぱり)沙汰(サタ)なし」(出典:人情本・鶯塚千代の初声(1856)初)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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